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アントレ・ラボ メールマガジン 
( 第36号 ) 2016年6月20日(月)

本メールマガジンは第1・第3月曜日の配信しております。
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< 内容目次 >

1.エッセイ

◆「引き際」

仲津定宏(株式会社アントレ・ラボコーポレーション 代表取締役)

2.定期連載

「人間誰でも一人では生きてはいけない」

(第5回)枠からの脱出

広沢 曄夫(応用工学研究所 所長)

 

1.エッセイ

◆「引き際」

仲津定宏(株式会社アントレ・ラボコーポレーション 代表取締役)

 最近は有名な経営者や政治家などの引き際についてメディアを通じて連日取り上げられている。引き際においての成否が、必ずしもその人の実績すべての評価になるわけではないが、最後に退き方が後世においても一番大切なことなのかもしれない。

どんなにカリスマ経営者として様々な実績や金字塔を積み上げたとしても、最後の最後に苦しい決断をして地位や名誉にすがみつこうとすると、その結果が見苦しいものにみえてしまい、これまでの輝かしい実績に傷をつけることになることは間違いない。

 経営者で言うならば、ソニーやホンダに代表される経営者はみな、引き際が美しく、そこに経営者としての哲学や美学に近いようなものがあったように思います。自分が退くべきタイミングを本当に理解している。だからこそ、後継人を適切にみつけ、そこに的確なタイミングでバトンタッチをすることができるのだと思います。

 それではどうしたら、引き際を上手にすることができるのか。そこは一言で私心を捨てることに他ならないように思います。経営においても政治においても退くべきタイミングが必ずあると思います。経営にいえば、自分の感覚がすでに時代の流れとずれてきていると思った瞬間かもしれないし、政治家であれば民衆や世論と自分の政策とのかい離になるのかもしれない。

そのためには、自分のことを客観的に見ることができ、理解できる能力、いわゆる大局観が必要であり、私心がない状況で判断して自分が残るべきか、退場すべきかを判断することができれば、自然と引き際を上手にすることができるのだと思います。

そして何よりも自分が退きたい時に退けるように、常に後継者は育成しておくべきだと思います。

それこそがまさに美しい日引き際ができる条件であり、目指すべきところなのかもしれない。終わりよければすべてよし、という言葉のとおり、有終の美を飾れるように将来を意識して準備しておくことが肝要だと思います。

2.定期連載

◆人間誰でも一人では生きてはいけない」

(第5回)枠からの脱出

広沢 曄夫(応用工学研究所 所長)

 国立大学の工学系研究所のエンジニアリング部門に10年あまり席を置き、宇宙開発というナショナルプロジェクトに参加していたが、そこで身につけたのは高度先端技術(ハイテク)のシステム化に加えて、権威ある技術論、技術体系と言っても、それを採用するか否かは結局のところ責任ある立場の人間としての感覚、感性によるという至って人間臭いというものだということを悟ったことだ。

 世の中は賢人、識者の先達によって作られてきたが、世代は変わり人は変わっても、この仕組みは変わらない。新たな理論体系も新たな価値もすべて気付き、思考、判断、評価、意志決定というプロセスの段階において、先達の残した理論やデータを参考にし、有効に活用して作られてきた。そこに教育と学習がある。

 どんな場合でも判断、意志決定、行動は自分の心が決めている。他人から言われるままになるのも、他人の論理や社会の論理に従うのも全て自分の心の心に委ねられている。主張も行動も自分次第であり、既存の理論も権威も手段に過ぎない。哲学もイデオロギーも文化全ては人間の感性によって作られたものである。従ってどこの国の一人ひとりの人間もその存在は個としての感性次第で決められている。感性の中には遺伝子も習慣も感情も全てが要素として含まれている。感性は夫々の個には見えないアイデンティティである。

 世の中は学術的なそして科学的な理論では動かないという事実がある。これらの認知された理論や権威を如何にして自分のものに加工・変換するかが重要であり、その加工・変換方法はその人の感性によって作られる。自分で使えるように仕立て上げられたものが自分の理論となる。自分は自分の理論でしか動かないし、他の理論に左右されるものには主体性がない。科学も技術もそれを創り上げたのは先達の感性であり経済も文化も同じである。既存のものが理論であり、その理論と感性のバランスをどのようにとっていくかが自分の生きる道を決めることになる。これが自分の体験してきた結果である。

理論、権威という固い枠から脱出したこの体験がその後「応研」という自主の元に研究所を創設したことの原因になった。その後、応研にEL塾を誕生させた。(EはEmotion:情緒、感性、LはLogic:論理、権威)知識は理論で知恵は感性であると思っている。産・官・学の嵐、静寂、動乱,平静をくぐりぬけてきたこれまでの自分の体験がこの文章を読まれる人達の日常生活の中で、僅かでも心の刺激になる部分があれば幸いです。

この文章は当時(平成11年秋)に~見えない知を探る~「思考の構造塾」を応研内に開設する際にプロローグとして書いた文章を参考にしたものです。

「人間は誰でも一人では生きていけない」ことは誰でも知っている。自分以外の人との係りのない人はいない。誰かと接し、係りつながって生きている。いつでもどこでも相手がいる。相手との信頼関係が大切になる。でも人の気持ちを見抜くことは至って難しい。相手とどのようにお付き合いをすればいいのか。相手から何が感じ取れるのか。それは何故だろうと思う。人はみんな立場が違う。相手の立場を考えてお付き合いの仕方を変えなくてはならないと思ってきた。

このシリーズではこんなことを感じたままに書いてみた。これも自分の体験から体得したものだ。「人間誰でも一人では生きていけない」ということは「人とどうお付き合いするか」ということになるのだろう。このシリーズは今回で終了し、次回から別シリーズを考えていきたいと思います。

3.セミナーイベント案内

1)6月22日(水)7:30~8:30 ビジネス法務講座

詳細情報: http://www.entrelabo.co.jp/news/2016/6/22
2)6月29日(水)19:00~21:30 第12回習慣化のための黄金ルールセミナー
詳細情報: http://www.entrelabo.co.jp/news/2016/6/29/12

3)7月4日(月)15:30~17:00 ダイバーシティセミナー

詳細情報: http://www.entrelabo.co.jp/news/2016/7/4

4)7月21日(木)19:00~21:00 商標権リスクマネジメントセミナー

詳細情報: http://www.entrelabo.co.jp/news/2016/7/21

4. 次回予告
次回第37号は2016年7月4日月曜日に発行予定です。

5. 編集後記

今日はたまたま家の近くにおしゃれなカフェを発見。自宅近くに食事も、デザートも美味しい過ごしやすいカフェがあることに家族と共に喜びました。変わっていないようで環境は確実に変化している。そうした変化を敏感に感じ取れるアンテナを常に磨きつづけないといけない。そうあらためて思いました。

仲津 定宏



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